【お達者語り部倶楽部】

・・・第36回・・・大穴北(後編)

    語り手:伊藤俊夫さん(74歳)斎藤音次郎さん(74歳)
         伊藤キミ子さん(70歳)
    聞き手:山口敏太郎   

 齋藤その女さんの
   家の墓は大きいでしょう
 伊藤という家がどこから来たのか定かなことはわからない。戦国時代かな?戦かなんかに破れて、逃げて来たらしいね。(八千代方面から戦に破れて逃げてきた吉橋兄弟の伝説を話すと)そうだね。その話と似てるね。しばらくは山の中に隠れて暮らしてね、ほとぼりがさめた頃に出てきたというわけだね。(伊藤さん・談)
 齋藤さんとこは、金持ちだったよ。娘さんの婿に来た弁護士さんが頭がよかった。車なんか乗っててね。当時は車なんかだれも乗ってないから、すぐ婿さんだとわかった。

(左から)伊藤俊夫さん、斎藤音次郎さん
、伊藤キミ子さん
 家のあった場所は今は竹林になってしまったけど、昔は石垣なんかがあってね。そりゃ豪勢な家だったね。しかし、戦後はGHQの農地解放なんかがあってね。一気に土地がなくなってしまった。子どもたちはいったいどこで何をやっているか、分家はあるんだけどね。そこがお墓を見てるよ。いつだか、その弁護士さんの子どもがたずねてきたことがあったね。(伊藤さん・談)
 (齋藤家の墓)その女(そのじょ)さんはやっぱり有名なんでしょうね。時々たずねて来る人がいるね。この齋藤家の墓は大きいでしょう。昔この齋藤家の大きな墓を拡張するために、我々の先祖の墓が横に移動したことがあるらしいよ。だから、私らの家の墓の下を掘るとずれていた証拠に隣の家の墓石が出てきたね。(齋藤さん・談)

大穴北・西光院にある齋藤その女の墓


【聞き手紹介】 

   山口敏太郎
 66年徳島生まれ。船橋市在住。妖怪・心霊・都市伝説・格闘技等に関する著書多数。読売・日本テレビ文化センター京葉にて「妖怪・伝説入門講座」開講中。ラジオ・テレビにも出演。『是非に及ばず』(青林堂)に続く歴史小説第2弾『なにわの夢』(青林堂)好評発売中。http://www.top.ne.jp/aliceweb/youkai/

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